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みちしるべ

2024.12.14

独特な逸話が数多く残る一休禅師は「夜もすがら 仏の道をたずぬれば わが心にぞ たずね入りぬる」という詩を残されています。

夜通し仏の光明(くらやみを照らし出す明るい光)を探してみたが、果てには自身の心の中に仏の道はあるのだと悟られました。

仏教とは自分を習うことであり自分の生命の中に喜びを発見することなのです。

特に禅では現実を徹底的に見つめる己事究明(おのれを知り向き合う事)が大切であると説きます。

一切は心より転じます。礎は自らの心を劣化させないように努めるという一点にあり、今すべきことを実践することが正しい道であり、その道を教えるのがお釈迦さまの教えです。

自己をゆだねる自覚的な態度を信仰といいますが、信仰を寄せるとは絶対に正しい存在がこの世にいると考えて自分の全てを投げ出して身を任せる事であり、それがお釈迦さまであり、お釈迦さまの教えなのです。

ただお釈迦さまという人物を信仰して助けてくださいと祈るのではありません。

お釈迦さまが説いたその道を信頼して自分で歩んでいく事が大切です。

教えは頭で理解するのではなく体で実践し行じていかなければなりません。

どうぞ日常生活の中でお釈迦さまの教えを実践してくださればと思います。

いくら文明が進んだとしても人を育てて生きる後押しをするのは、豊かな経験を積まれたご先祖さまの温かくて深みのある眼差しです。

ご先祖さまが自分を見ていてくれているという思いは心の成長にとって何よりの栄養になります。

ご先祖さまに手を合わせ仏縁に支えられ生かされている尊い自己の命に感謝し、ここまで命を繋いでいただいたご先祖さまへの報恩供養をいたしましょう。

仏教聖典にある言葉をご紹介して結びといたします。

「過ぎ去った日のことは悔いず、まだこない未来には憧れず、取り越し苦労をせず、現在を大切に踏み締めてゆけば、身も心も健やかになる。過去は追ってはならない。未来は待ってはならない。ただ現在の一瞬だけを強く生きねばならない。」

例え目標に到達できずとも、一歩一歩前に歩んで行く、その歩みが素晴らしいと仏教では説かれているのです。

いつもお心をお寄せくださり感謝申し上げます。                           合掌

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